見えなくなる、見えにくくなるとはどういうことか解説します。
目が不自由、というのはどういうことなんでしょうか。それを理解するためには、まず人間の目の構造や見え方について知ることが大切です。
見る力というのは、大きく視力と視野の2つに分けられます。 みなさんも「目がいいから遠くまで見える」「目が悪くなったからメガネを買った」なんてことがあるかもしれませんよね。この“目がいい・悪い”という表現は視力をさすことが多いです。
視力の良し悪しを左右するのは、人間の目の中央後方にある黄斑部という神経です。ものを見るとき、この黄斑部が細かい部分を識別していきます。黄斑部の働きが正常ならクッキリと、なにか問題があればボンヤリと見えるわけです。
ですが、人間の目は黄斑部だけで見ているわけではありません。黄斑部の周辺部分でも、見ている(見ようと思っている)ポイントの周りを認識しています。この空間の範囲が視野です。
テレビでたとえればもっと分かりやすいかもしれません。テレビの画質を視力、画面の広さを視野と考えてみてください。視力が下がるとテレビの画質が低下し、視野が欠けると画面の一部が消えてしまう、と言うとイメージできるでしょうか。
目が不自由とは、なんらかの理由で画質が悪くなったり、見える範囲がせまくなったり、もしくはその両方だったりする状態をさします。ですので、まったく見えない人、ぼんやりとしか見えない人、一部しか見えない人など、さまざまな人がいるのです。
著名なハリウッドスターのなかに、文字が読めないという人がいます(あの、超有名な方です)。台本が読めないため、セリフを覚えるためには録音テープなどを駆使し、並々ならぬ努力をしてきたそうです。でも、日常生活は普通に過ごせており、学校などで教育を受けていたはずなのに、文字が読めないってどういうことなのでしょうか。
実は、見えているのにその画像が脳に映らない、という脳の障害があります。先述で紹介したハリウッドスターもそのひとり。読み書き障害という疾患では、文字や図形といった特定のものを脳のなかで意味に変換できない人がいるのです。また、特定の色だけ見えないといった、色覚障害のある人もいます。
見る、ということは目だけの力ではなく、それを最終的に認識する脳の力もとても重要なんですね。脳に特性がある人のなかには、なかなかそれを周囲から理解してもらえず、特殊な不便さを抱えて生活している人も少なくありません。
日本ではまだまだ知られていない視覚障害と認識障害ですが、共通して言える本質は、視覚情報を適切な脳内の情報へと変換できないことにあります。以下のサイトではとても有効な情報ケアが紹介されていますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。