コンテスト
受賞事例

【アイデア部門】価値転換賞
伴 英軌

できない理由よりもできる理由を!
視覚障害者の金属加工業界での就労。

 金属加工の工場には機械がたくさん配置されているのでさまざまな危険が潜み、視覚障害者が働くのは難しいと思われがち。けれども最近は、加工マシンの自動化が進み、金属をセットしてボタンを押すだけで製品ができる工場も増え、私が勤める会社でも視覚障害の方が1人、現場で働いておられます。そこで、健常者に混じって仕事ができるポイントをいくつか挙げてみました。
 まず、大型の加工マシンは一度設置すると動かしません。設置場所を覚えれば、見えにくいことは不利になりません。2つ目は、加工品は複数人でチェックするので、見えにくさによるミスも防ぐことができます。3つ目は、加工そのものはプログラムに従って機械が行います。加工した製品の移動も、機械や従業員にサポートしてもらうなど工夫次第で可能になります。4つ目は、時間はかかっても技術や知識を磨き上げれば熟練職人になることもでき、働きがいも生まれます。最後に、工場や会社は地方にあり、周辺には視界の開けた道路が整備されていることが多いので、もし運転免許を取得できる方であれば自力で通勤することも可能です。
 もちろん、“3K(危険・汚い・きつい)産業”と呼ばれる金属加工業界での就労は簡単ではないと思いますが、その可能性を提示することで1人でも多くの視覚障害者の就労につながればと期待しています。

審査員コメント

目視での確認など、これまでの固定観念が払拭され、雇用拡大の道が開かれる可能性を感じました。視覚障害者が働きやすい環境を整えた職場は、健常者や高齢者にとっても安全性が高い職場であると言えるでしょう。
伴 英軌(会社員)

伴 英軌(会社員)
名古屋大学理学部卒、広島大学大学院理学研究科博士課程後期中退後、2015年より金属加工会社の設計部・生産技術部に勤務。金属加工とは、マシニングセンターやNC旋盤などの機械を使い、アルミや鉄、チタンなどの金属を加工し、自動車部品や航空機部品、プラスチック製品製造のための金型をつくる仕事。